はじめての金縛り
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
私は断片的になのだけれど2、3歳頃の記憶がある。
そのひとつは初めて金縛りになった日だ。
その時、私は熱を出していてベッドで寝ていて
父親が退屈しないようにレコードをかけてくれていた。
そんな風にして休んでいたら突然動けなくなった。
意識はあるのに体が動かなくて「大変だ!」と思った。
幸いすぐに金縛りは解けたけど多分人生ではじめてドキドキした。
その時はそれが金縛りだとはわからなかったけれど
後から金縛りの存在を知ってから
あぁ、あの時のあれは金縛りだったのかと思った。
金縛りになったことない人っているのかな。
私は割となる方だと思う。
特に中高生くらいの頃が酷かった。
毎日何日も続いてよく眠れなくてぐったりしていた。
そして現在も中途半端な時間にうたた寝していると
突然クッと金縛りになったりする。
その時にいつもはじめての金縛りのことを思い出す。
はじめての金縛りは動けなくて困ったけれど恐怖心はなかった。
父のかけてくれたレコードや窓からの風
安心感に包まれていたから怖くなかった。
はじめての金縛りが怖い思い出じゃなくてよかったと心から思う。